判例・事例紹介
知的財産権侵害、不正競争に対する対応
1、知的財産権侵害、不正競争に対する対応
㈠ 特許権、実用新案、意匠権、商標権
特許権―職務発明に関する特許権の承継
その対価―相当の対価(合理的な金額)
貢献度―最近は5%程度とされることが多い。
㈡ 著作権
キャラクター等
㈢ 不正競争防止法
類似の商品等表示の使用(2条1項1号)
営業秘密の不正取得、不正利用(後記)
原産地、品質、用途等の偽装、商品譲渡等(2条1項13号)
競争関係にある他人の信用を害する虚偽の事実の告知、流布(2条1項14号)
2、営業秘密の管理
㈠ 営業秘密とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう」。(不正競争防止法2条6項)
㈡ 具体例
技術上の情報
製造技術、設計図、製品仕様、原料配合比率、製造原価、実験データ、研究レポート、青写真、製造工程マニュアルなど
営業上の情報
顧客名簿、販売マニュアル、市場調査情報、営業戦略情報、仕入先リスト、販売計画資料、見積資料など
㈢ 保護の要件
① 秘密として管理されていること(秘密管理性)
例えば、「極秘」「マル秘」などの表示、営業秘密にアクセスできる者を制限している、資料の保管、保存、廃棄などの方法が定められていること
② 事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること(有用性)
有用なものとして、例えば、製造ノウハウ、成分の組成、実験データ、顧客名簿、開発に失敗した新製品のデータなど
有用でないものとして、例えば、当該企業の脱税情報、有害物質の垂れ流し情報など反社会的なものや、役員のスキャンダル情報、人事異動の情報など経済的価値を生み出さない情報
③ 公然と知られていないこと(非公然性)
すでに一般に知られた情報であれば保護されない
㈣ 不正競争防止法で違法とされる行為類型(同法2条4号~9号)
① 窃取型
当該企業から営業秘密を窃取するなどの不正手段で取得する行為
それを自己で使用したり他人に開示する行為
第三者が悪意・重過失で窃取者から取得する行為、それを使用・開示する行為
第三者が取得したときは善意だったか、その後悪意・重過失になって使用・開示する行為
② 背信型
当該企業から適法に営業秘密を開示された者が、不正の競業その他不正の利益を得る目的又は当該企業に損害を与える目的で使用・開示する行為
第三者が、上記の者から、悪意・重過失で取得する行為、その後、自己使用したり開示する行為
第三者が、取得時は善意だったが、その後、悪意・重過失で使用・開示する行為
第三者から情報を受領する際は、悪意・重過失とならないような配慮が必要
具体的には、情報提供者の身分を確認する、情報提供者が情報を正当に入手したかどうかを確認する、極秘・マル秘・社外秘などの表示がしてある情報の受領は拒否する、情報の利用範囲・利用上の条件を確認する、正当な権限ある者から正当に入手したことを記録する、など。
㈤ 民事的請求
① 差止請求(3条1項)
② 設備等の除却請求(3条2項)
③ 損害賠償請求(4条)
④ 信用回復請求(14条)
㈥ 刑事罰(21条)
㈦ 日ごろの対応、営業秘密管理規定を作成し、営業秘密の保護を徹底させておくこと
経済産業省営業秘密管理指針などを参考に定めておく(経済産業省HPに掲示されている)